スポーツと福音伝道―FCAジャパンミニストリーのご紹介【その1】

今回は新生宣教団のミッションパートナーであり、日本で活動するインターナショナルスポーツミニストリー「FCAジャパン」のナショナルディレクター、ウィル・トンプソン氏にインタビューする機会が与えられました。
FCAジャパンでは、今年の7月に新しいスポーツバイブルをリリース予定で、新生宣教団で印刷と製本の準備が進められています。
オリンピックシーズンにピッタリなこのリソースはFCAジャパンのWEBサイトから本体無料(送料の負担と任意献金のみ)でご注文いただけます。
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※発送は7月中旬以降を予定しています。
インタビューでは、スポーツを福音の機会と捉えて活動されているFCAジャパンの働きと、新しいリソースについて伺いました。

オリンピックのこの時期、スポーツと福音、そして教会のかかわりについて考えてみませんか。
2回にわたってインタビュー記事を掲載いたしますのでどうぞお読みください。

 

FCAジャパンのウィル・トンプソン氏にインタビュー


FCAジャパンのナショナルディレクター
ウィル・トンプソン氏

FCAとはどのようなミニストリーですか

FCAは「フェローシップ オブ クリスチャンアスリーツ」の略ですが、1954年にとあるアメリカのバスケットボールコーチから始まりました。
商業広告にスポーツ選手が起用されているのを見て、「スポーツ選手の影響力を福音のために用いられたら」という気づきとヴィジョンが与えられ、活動がスタートしました。
その2年後には最初のスポーツキャンプが持たれ、さまざまなスポーツ選手が同じ信仰のもとに集い、励まし合いました。
2012年から国際部門が設立され動き出し、日本でも活動が始まりました。
現在FCAは100カ国以上で活動していて、スタッフも2000人以上にのぼります。

日本での活動

日本での活動はアメリカから派遣されてきた私と元阪神タイガースのマット・マートン選手を中心としてスタートしました。現在私ともう一人の日本人スタッフがいて、秋にもう一人加わる予定です。
野球教室であったり、スポーツ選手のコミュニティ活動、東北の復興支援などこれまでにさまざまな活動を行ってきました。
私自身は子どものころ東京で5年間過ごした経験があり、野球も大好きでしたので、日本と野球とイエス様の働きに従事できていることを感謝しています。

主な活動は、まずスポーツ選手へのサポートです。
欧米諸国では「スポーツチャペル」といって、試合のために礼拝に行けない選手のために、出張礼拝を行う働きがあります。試合会場で心を静めて礼拝を捧げると同時に、その場にいるノンクリスチャンの選手にも自分の信仰を証しする機会となります。またクリスチャンアスリートが信仰を励まし合えるコミュニティの場を作っています。

そして教会と地域のスポーツコミュニティーをつなぐ働きです。多くのスポーツの試合や練習が日曜日に行われている日本では、特にその傾向が強いと思いますが、教会とスポーツ界は分断されていて、交わることのない世界でした。
教会などと協力して、子どもたちのためのスポーツ教室などを開催します。日本では目玉となるスポーツ選手がいないとなかなか人を集めるのが難しいので、クリスチャンの引退した選手や現役選手を呼んで行います。
一昨年日本でラグビーワールドカップが開催されたときも、日本各地でラグビー教室を開き、ニュージーランド代表オールブラックスの元選手を招きました。
教室ではもちろんスポーツのテクニックなどを教える時間を持ちますが、選手としてのメンタル、心の持ちようなどについても話をします。
そうした中で自然な形で自分の信仰やイエス様について証しすることができます。
参加する子どもたちにとってはおそらく初めて福音に触れる機会となります。そしてプレゼントとして私たちの作っている「スポーツバイブル」を渡します。

クリスチャンアスリートとの関わりを通して

私たちが大事にしているのは、まず最初に関係を作り、それから福音を伝えるということです。
誰か知らない人にいきなりスポーツバイブルを渡すのではなく(それはそれで神様に用いられる働きだと思いますが)、私たちが望むのは、関係が築かれてから彼らの成長につなげるために手渡すことです。
一番理想としている形は、手渡す本人の証が掲載されたスポーツバイブルを渡すことです。「私の大事にしていることがここに書かれているのでぜひ読んでください」と言えば、興味を持ってくれる人たちは多いでしょう。

FCAが大事にしているのは影響力です。スポーツマンにとって、コーチや選手は非常に影響力を持った存在です。その影響力を悪い方向ではなく、良い方向、神の福音を伝えるために使っていきたいと思っています。
そのため選手だけではなくコーチ指導者たちへのミニストリーにも取り組んでいます。
日本ではまだまだこういったスポーツミニストリーについては知られていませんが、スポーツにまつわるさまざまな活動をしています。

 

FCAジャパンの今後のビジョンはどのようなものですか

当面の課題としていることは、これらのさまざまな働きを続けて行くために必要なボランティアとスタッフを育てていくことです。
そして、日本でまだまだ知られていないミニストリーなので、ワールドカップやオリンピックの盛り上がりをきっかけとして、日本の教会にもこの働きを知ってもらいたいです。
教会はスポーツ界を、日曜日の朝の礼拝の「ライバル」や「敵」のような存在として見るのではなく、スポーツも神様からの贈り物であることを知っていただき、このミニストリーを応援してほしいです。
スポーツを人生の大事なものとしている人たちの所には福音が届いていないことが多いので、その届いていないところに届けていけたらと願っています。

『スポーツバイブル』を通して届く福音

またすごく大事にしていることの一つは、私たちが配布している『スポーツバイブル』です。
これまでに『ベースボールバイブル』と『スポーツバイブル:ラグビー版』を出版し、それは選手の証と、新生宣教団の「マンガ聖書」を組み合わせて作りました。
今回の『スポーツバイブル2021』は四福音書と選手の証を組み合わせて作っています。

福音が届いていない国や島に聖書を届けるためにはその言語に聖書を翻訳し、その場所に行き、実際に会って関係を作る必要があります。
同じように、私たちがフォーカスしている福音が届いていない場所は、日本のスポーツ界です。
何らかのスポーツをしている彼らに分厚い聖書を渡しても、どうやって読んでいいかわからず理解するのは難しいと思いますが、興味があるスポーツ選手の証があったらきっと読みやすいでしょう。そしてスポーツキャンプやスポーツ教室などのきっかけを用意して福音の種を蒔いています。

私も日本にいた子どものころにも少年野球チームに参加していました。
その時も日曜日は練習と試合の前に野球のユニフォームを着て早朝礼拝に出て、練習に遅れて参加したりしていました。
私が来日した子どものころ、私と日本とのつながりは野球だけで、野球という共通の言語が私を助けてくれました。
違う国籍や、宗教、言語、あるいは肌の色が違っても、スポーツを通して心につながりを持つことができます。

 

日本では日曜日にスポーツの試合や練習がありますが、アメリカでもそうなのでしょうか

どんどんそういう風に変わってきています。1、2世代前では、(キリスト教国なので)ビジネスでもスポーツでも日曜日はお休みという文化があったのですが、今はそういう文化が薄れています。
とは言え、もともとはそういう文化があるので、教会の理解や立場は日本とは違います。

日本のスポーツ界と教会の間にある溝

日本にとっては日曜日は元々スポーツを楽しむ日だったり、サラリーマンにとっての唯一の休日だったりして、日本のクリスチャンは信仰のためにスポーツを捨てて、違う趣味を選ばないといけないという流れになっていました。
そのことで私たちも悩まされ、どうしたらいいかと話し合いを重ねてきました。

ある教会では部活をやっている子たちのために早朝礼拝や夕礼拝を持ったり、あるいは平日に集まりを持ったりしています。
最初に少しお話したスポーツチャプレンという存在も日本ではあまり知られていませんが、アメリカやイギリス、オーストラリアなどでは一般的で、日曜日に教会に行けない選手のために、チャプレンがグラウンドなど選手のいるところに行って、交わりと祈り、聖書を読む時間を持ちます。
チャプレンはスポーツだけでなく、軍隊や病院などさまざまな場を訪れます。教会の建物の中だけでなく、自分がみことばを伝えに出て行く働き人です。
私たちの他にもそのようなスポーツミニストリーの働きは日本に入ってきていて、トレーニングを行ったりしてこれからのヴィジョンにつなげていきたいと思っていますが、まだまだ進んでいなくて、難しいミニストリーです。

日本人の70%の人が何らかのスポーツに関わっているという統計もありますが、この事で日本のクリスチャンホームも悩んでいるし、スポーツに関わる方々もこのことから「スポーツを止めないといけないのではないか」と感じて教会に足を踏み入れるのがすごく難しいと感じています。
これらのことはまだまだ課題があって私たちも悩んでいる所で、はっきりとした答えがあるわけではありませんが、日本の文化を変えるのは難しいことなので、むしろ教会のほうが変わって、建物にこだわらず出て行ってイエス様の香りをあらゆるところで放つことが必要なのではないでしょうか。

私たちの他にも、こういったスポーツを通して福音を拡げたいというビジョンを持って活動しているグループはありますし、教会もあります。
しかしまだまだ数は少ないですしあまり知られていませんので、この活動を皆さんにも知っていただき、教会とのパートナーシップをより強固にしていきたいと思っています。

写真提供:FCA

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インタビュー【2】に続く

筆者はスポーツと無縁だったため、「教会とスポーツ」の関わりについて深く考えたことがありませんでしたが、クリスチャンスポーツマンを励まし、教会とスポーツの分断という問題解決に取り組み、さらにはスポーツを伝道の機会として用いているこのような働きを知り、大変励まされました。
どうぞこの尊い働きのために覚えてお祈りください。

スポーツと福音伝道―FCAジャパンミニストリーのご紹介【その2】では、新しく作られるリソース『SPORTS BIBLEスポーツバイブル ~勝利より大切なもの~』について詳しく伺いました!
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