「私はスゴー・カレン族出身で1934年生まれの81歳※です。仏教の家庭で育ちました。子どものころからビルマ軍とカレン軍は常に戦闘状態にあったため、各地に転々と避難しました。
12歳の時、両親がビルマ軍に殺され、この先どう生きていけばいいかわからず途方に暮れましたが、あるカレン族の牧師に一緒に暮らすようもちかけられ、そうすることにしました。1952年、18歳の時に私はキリストを受け入れました。
毎週教会に行き、行事にも熱心に参加しましたが、教会には聖書がありませんでした。牧師が1冊だけ持っていた聖書はとても貴重で、触ったことなど一度もなく、牧師だけが買えるものだと思っていました。そこで牧師に「大人になったら自分の聖書が持てるだろうか?」と尋ねると、「今だってお金があれば買えるよ」と言われました。その後、お金を持って聖書を買おうとしましたが聖書は売られていませんでした。
その時から私は神様に聖書をくださるよう絶えず祈るようになりましたが、手に入れられることはありませんでした。
祈りはじめて63年、今日神様は応えてくださいました。しかも聖書の代金を払おうとすると「これは無料です」と言われました!
賛美をもってこのスゴー・カレン語の聖書を感謝します! 神様は私の祈りを忘れてはいませんでした。」 ※2015年当時
カレン族 :
ミャンマーの全人口約5,200万人のうち約7割はビルマ族で、他に大別して約50の少数民族がいる。カレン族は東部のタイ国境地帯を中心に全人口の約7%を占め、シャン族と並ぶ有力民族。47年6月、武装組織「カレン民族同盟」(KNU)を旗揚げし、軍事政権との武装闘争を続けてきた。しかし、95年1月、本拠地マナプロウが陥落。カレン族難民が大量に流出し、いまタイ国境沿いのキャンプに10万人以上が暮らす※。
(2006-09-01 朝日新聞 朝刊 1外報)
※2015年12月UNHCR発表では8万6200人
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