【ウクライナからのメッセージ】ビクトリアさんの証──癒しと回復を信じて──

ビクトリアさんの証
 

ビクトリアさん2023年7月12~16日にノルウェーで行われたカンファレンス(くわしくはこちら)での証やインタビューを何回かにわたってお届けします。
第一回目は、カンファレンスで証をしてくださったビクトリア・ライチネッツさんの証です。

ビクトリア・ライチネッツさんは、ウクライナのキーウで「トラウマ・ヒーリング インスティチュート」という癒やしのミニストリーを始め、傷ついた多くの人々に寄り添った働きをされています。
 

ビクトリア・ライチネッツさんの証

私の友人は皆この一年半の間、私がウクライナにとどまっていると思っていました。しかし実際には戦争がはじまってからはキャリーバッグ片手の生活を送っていました。
牧師でありウクライナ聖書協会で副総主事の働きもしている夫は、この一年半の間ウクライナのキーウにとどまって、私の両親と子どもたちはノルウェーのカルメイへ移り生活を送っていました。私はというと、2週間に一度の頻度でウクライナに戻り、トラウマ・リカバリーのミニストリーの働きをし、また子どもたちの元に戻るという生活を繰り返していました。このような生活は、私、そして家族にとって決して楽なものではありませんでした。

「トゥーセン ターク」

この危機的状況において、私たちに託されている福音について語る前に、まずノルウェーの皆様に感謝を申し上げたいです。
このようにウクライナが困難な時に、皆さんは神様の手となってくださいました。神様のことばとなってくださいました。そして、私たちに対して、神様の心となってくださったのです。私たち国民を受け入れてくださったことで、皆さんに託されている福音を私たちに示してくださいました。
特に私の家族、子どもたち、両親にもそれを示してくださったことに感謝しています。私にとってもここにいることは本当に神様の祝福です。「Tusen takk」(トゥーセン ターク:ノルウェー語で「ありがとう」)

戦争が始まったあの日

私は、困難な状況というものについて考えてみました。ウクライナの困難だけにかぎらず、皆が人生においていろいろな困難を迎える時があります。たとえば病気でベッドに横たわる我が子に寄り添うお母さん、妻を交通事故で亡くし子どもと共に残された若いお父さん、または学校で裏切られたと感じた生徒のその体験もそうです。皆、それぞれ違った困難な時を通ります。

私にとっての困難な時とは、この一年半の出来事でしょう。15階にある我が家で飛び起きたあの日の出来事は一生忘れることはないでしょう。まず爆音が聞こえ、寝室の窓から爆発が見えたのです。
そして、私たちの子どもをキーウから避難させると決断した時のことも決して忘れないでしょう。夫は駐車場に立ち尽くして言いました。「どうして私がキーウを去ることができるだろうか。私はキーウに残らなくては。私たちはここにいる人たちに神様の愛を伝えているのだから」と。
夫が正しい選択をし、神様が望まれることに従っているのを疑う余地はありませんでした。ただ、同時に忘れられないのは、夫の目を見ながら別れの挨拶をしていた時で、また生きてこの人に会うことができるかどうか確信が持てなかったことです。
主の御名を賛美します。その後生きて夫に会うことができ、また今日ここに私たちは共にいます。

神の語りかけ


破壊されたブチャの街

そして、私はあの、ブチャの侵略が終わった第一日目を忘れません。恐ろしく変貌してしまった私の両親が住んでいた町を車で通った時のことです。そこで目の当たりにした光景を忘れることはないでしょう。煙が地面から立ちのぼり、道は戦車や薬莢(やっきょう)で覆いつくされていました。このようなイメージは心に傷として残ります。

しかし、困難な中においても、私たちの心、そしてその傷に、奇跡を働かせてくださる方がおられることを私たちは知っています。
皆さんと一緒に、列王記第一19章を見てみたいと思います。ここでは聖書の中の私の大好きなヒーローのエキサイティングなストーリーを読むことができます。それはエリヤのストーリーです。彼はとても偉大な人物で、神様の御名によって数々の大いなる業を行ってきました。しかし19章では彼は死にそうになります。もう、何もかもおしまいだ…。プレッシャーは重くのしかかり、危機は大きすぎてエリヤはもう動けなくなってしまいます。
そして、神様はエリヤに語りかけます。皆さんも神様がどのようにエリヤに語りかけたか覚えておられると思います。まず、11節。激しい風が来ました。しかし、神様はその激しい風を通してはお語りになりませんでした。そして、地震。しかし神様はお語りにはなりません。そして、火。またしても神様はお語りになりません。しかしその後に、小さく静かな声で神様はエリヤに語りかけられます。

ウクライナの状況を目の当たりにする時、偉大な神様が火や地震を通してこの卑劣な行為に一気に終止符を打ち終わらせてくれないかと思います。しかし、時としてそのような事は起こりません。その代わり、神様は小さくシンプルな声で語られます。
キーウを離れるため車を走らせていた時、夫から電話がありました。彼は言いました。「ビクトリア、もうおしまいだ、ロシア軍の隊列が君の前に真っすぐに進んでくる」。私は夫に聞きました。「どうしたらいいの?」。夫は強く頼りがいがあり、いつも何をすべきかわかっている人です。そんな夫がこう言いました。「わからない」。どうした事でしょう。子連れの一人きりの女性がどうしてどのようにすればよいかなど分かるでしょうか。もし、来た道を戻るなら、ブチャの方向に連行されます。真っすぐ進むことも愚かで論理的ではありません。
私は脇道に入り車を止めました。そして、心の中に静かな声を聞きました。それは、とても冷静な決断でした。「まっすぐに進む」。数分後、元の道に戻った時にはロシア軍の隊列はすでに私たちを追い越して先へ進んだ後でした。

働きへの主の導き

また、ホストメリを初めて訪れた時、私は一人の女性を通して神様を見ることができました。その女性は年老いておりましたが、占領期間中、町の人々が多く殺されているにもかかわらず、ある老婆に一杯の温かいスープを一か月もの間、毎日町を横断して届け続けていたのです。その老婆は、爆撃で破壊された瓦礫の家にたった一人で住み、介助を必要とする方でした。
困難の中、時として神様はこのようなケースを示すことで私たちに語りかけられます。人生の中で困難な経験を通ることは残念ですが、でも今、私たちはあの女性が老婆にしたように、ウクライナの人たちに寄り添い回復をももたらすことができるのです。

過去7年間、私たちはウクライナでトラウマ・ヒーリング インスティチュートとして活動してきました。そして、この働きを通して人々に寄り添うことが私たちのインスティチュートが行おうとしていることなのです。希望が見いだせない時、もう立ち上がる気力もなくなり、前へ進めない時、回復をもたらしてくださる方を私たちは知っています。
そして私たちは、苦しんでいるウクライナの人々を癒しの十字架に導けることを知っています。この一年半の間、私たちはウクライナの人々のために多くのプロジェクトを行ってきました。軍人の子どものための多くの復興キャンプや、占領地や前線から来た子どもたちのためのキャンプ、夫を亡くし残された女性のためのケアなどです。
そして、私たちは協力し合い、恵まれない人々に援助を届けるだけでなく、トレーナーの育成にも力を注いでいます。この一年半の間に、私たちは65以上のトレーニング・プロジェクトを実施することができました。そして今日、戦時中にもかかわらず、私たちは準備を整えることができ、巨大なボランティア・チームができ上がっています。
私たちはこの一年半の間に3,500人以上の協力者を準備し、ウクライナのあらゆる地域に癒しをもたらす働きを行っています。
私たちは教会や様々な宗派と連携し、また政府や行政機関とも連携しています。この働きのために祈り、資金面でも捧げてくださる皆さまの支援に感謝いたします。

皆さまの助けによって

ご家族と私たちは働きが拡大している事を実感しています。私たちはこの期間に、9千人以上の人たちをサポートする事ができました。しかし、トラウマはあまりにも大きく、私たちはまだ回復への大きな旅の始まりにすぎないようにも思えます。
しかし、神様はこの困難な時期が起こる前から私たちを準備させてくださっていました。神様は今日も私たちと共におられます。そして皆さまの継続した助けによって、これからも困難な旅を続けていくことができるのです。
本当に皆さまに感謝します。神様の祝福がありますように!


ウクライナ語聖書は、ビクトリアさんのお働きにも欠かせないものです。ご主人のライチネッツ牧師も、ウクライナ語聖書を現地で日々配布されています。
新生宣教団は、これからも皆さまと共に、できる限りのウクライナ語聖書を印刷し現地に届けたいと願っています。そして共に、お二人が関わっておられる働きやウクライナの上に神さまの守りと癒やしがあるよう、覚えてお祈りください。

現在新生宣教団ではウクライナ語聖書のためのご支援を募っています。
2023年7月末時点で、これらのプロジェクトのために必要な資金は残り約2033万円です。どうぞこのプロジェクトを覚えて、お祈りとご支援をよろしくお願いいたします。

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