マリア福音姉妹会(カナン出版)のシスターにインタビュー

 

在日時のシスター・オリビア(右)とシスター・スミルナ(左)

昨年の秋に記事でご紹介した(記事はこちら)ミッションパートナー、マリア福音姉妹会(カナン出版)のシスターたちは、昨年末に日本での40年の働きを終えてドイツに帰られました。

ドイツに帰られたシスター・スミルナに、日本での40年の活動とお交わりを感謝しつつ、メールインタビューさせていただきましたのでどうぞお読みください。


「日本に行くように」と言われたとき、どのように感じましたか?
来日前の、日本に対するイメージはどのようなものでしたか?

実は、「日本に行くように」と言われたことはなかったのです。1980年、マリア福音姉妹会は、いくつかの新しい外国支部を開設するようにと導きを受けました。
私は、既にその前から日本に対して関心を抱いていて、少し自分なりに日本語も勉強していました。ひらがな等を覚えたりして……。
私の当時の旅券にその検証のスタンプが残っていますが、オーストラリアの新しい支部に行くことになっていたにもかかわらず、健康診断の結果が正常ではなかったため精密検査が必要となり、オーストラリアへの派遣は延期になりました。

オーストラリア行きのためいろいろな準備をしていたのにうまくいきませんでした。しかし、祈れば祈るほど、延期の背後に主の格別な導きがあることが示され、平安がわいてきました。そして、そのうちに私はオーストラリアではなく、主の時が来たら、日本に行くべきだ、と感じるようになったのです。
マザー・バジレアにも「それは主からの導きだ」との確信が与えられました。そして、日本のビザを申請したところ、今度はなんと、2週間足らずで発行されました。先にシスター・オリビアたちが申請した時には、半年以上もかかったというのに!
新たな健康検査の結果は正常だったので、私は1980年6月シスター・オリビアと共に、日本に派遣されることになりました。

当時の私が日本について抱いていたイメージがどんなものであったか、もう覚えていません。しかし、日本に着いて、伊丹の空港から三重県の伊賀上野に行った時の風景は、生き生きと心に残っています。都市高速を走る車の窓から、いつまでも目に映る大都市・大阪のビル、漢字で書かれた大きな看板、それから紀伊半島に入り、山を越えて三重県に着いたら、どこまでも広がる田んぼ……。
先に日本に来ていた二人のシスターと、迎えに来てくださった牧師先生の祈り。「長旅のお疲れがいやされますように……」と。

日本で活動を始める際に抱いていた宣教のビジョンはどのようなものでしたか?
また実際には、どのようになりましたか?

最初は、ドイツの「カナンの地」のように、土地を見つけて、小さな規模でも祈りの園として「日本のカナン」を作りたいと思っていました。いろいろな土地を見に行ったりもしました。
しかし、何よりも先に日本語をしっかり勉強しないといけないということが示され、その学びに専念することにしました。
そのため、一年もたたないうちに関西から東京に転居し、お茶の水にある宣教師のための日本語学校JMLIに通うことになりました。
その期間、南青山にある教会関係のアパートをお借りすることができました。
そののち、4年ほど、千葉市・都賀が活動の拠点になりました。
その間「日本のカナン」のための土地のお話がもちあがることもあったのですが、何よりも文書伝道に力を入れるようにと導かれました。

新生宣教団には、早くも青山にいた頃からお世話になり、「わが心の喜び」(絶版)と「サタンの試みから逃れるために」(改訂版「惑わす者に打ち勝つ道」)を印刷していただきました。
千葉に移ってからは、「神の現実」「変えられたいあなたに」「キリストの花嫁」の再版が必要になりました。
こうして、「カナンの地」を作ることよりも、本の翻訳のチェックや見直しなどが、メインの仕事となっていきました。

日本での活動で、特に難しかったことはどんなことでしたか?
どのようにそれを乗り越えてきましたか?

やはり言葉の問題でした。40年たっても、まだ読めない漢字がよく出てきます。たとえば手紙やメールの中で……。
ずっと前にノルウェーの宣教師から電子辞書をいただいたのですが、今に至るまで現代のこうした技術を頼りにしています。
それでも、字を調べたりするのは時間がかかるので、忍耐が必要です。

日本での活動で、特に祝福だったことはどんなことでしたか?
活動を続けるうえで、心に抱いていたみ言葉などもあれば教えてください。

クリスチャンの方たちとの、主にある交わりです。初めてお会いしても、同じ家族であることは感じるのですね。
沖縄から北海道まで、日本の各地でたくさんの教会を訪ねることができ、また多くのキリスト教団体を知ることができ、共に御国のために働く恵みにあずかったことは、大きな祝福となりました。
マザー・バジレアの本を、全国で紹介できた恵みを主に心から感謝しています。
そして読者からの反応は、主が蒔かれた種を豊かに祝福してくださったことを示し、それは何よりの喜びです。

ネヘミヤ書8章10節によって、絶えず励まされてきました。「主を喜び祝うことこそ、あなたたちの力の源である」

1987年、千葉から福岡に導かれた時、「わたしがあなたと共にいる…。この町には、わたしの民が大勢いる……」(使徒言行録18:10)との御言葉をいただいたのですが、まさにそのとおりでした。

日本に派遣される当時から絶えず力となった御言葉は、ヨハネの福音書にあるイエス様の約束です。「父御自身が、あなたがたを愛しておられる」
天のお父様の愛と恵み深さを、何十年も味合わせていただいて、本当に感謝でいっぱいです。

去年の春、そろそろ日本での40年の働きを終えるように、と導かれました。
聖書に、「民は主の命令によって宿営し、主の命令によって旅立った」(民数記9:23)とありますが、今がそのために定められた時であること、「旅立つ」時が来たことが私たちに示されたのです。
コロナ禍も始まり、いろいろな問題もありましたが、主がまた御言葉を通して語りかけてくださいました。
「打ち破る者は、彼らの先頭に立って上って行き、彼らは門を打ち破って進んで行き、そこを出て行く。彼らの王は彼らの前を進み、主が彼らの真っ先に進まれる」(ミカ書2、13)。

聖書は本当に生ける御言葉であり、「わたしの道の光、わたしの歩みを照らす灯」(詩編119:105)です。

日本での宣教に、特に必要だと感じているのはどのようなことですか。

キリストに対する初めの愛から離れないこと。
また、イエス・キリストの十字架を土台として、主を信じる者たちの一致を求め、実践し、守ることです。

クリスチャンは、キリストのように隣人の僕であるべきだ、と思います。
これは、もちろん日本だけではなく、世界のどこでも求められます。

マリア福音姉妹会で発行した書籍で、個人的に最もおすすめな本はどれですか?
その理由もお聞かせください。

最初に心にわいてくるのは、「神の現実―山を動かす信仰と祈り」です。
私は高校生の時、信仰に入ったのですが、信仰の深い喜びを感じる時も、次々と自分の罪深さに直面しました。しかし、この本を通して、この問題に対する解決が示されたのです。
更に、「キリストにわがすべてを─愛のともし火、掲げつつ」は心を絶えず新たに主への愛に燃え立たせるデボーションの本です。
その中に紹介される証しも、とてもためになります。
暗闇を通る方には、「聖所の光に至る道」をお奨めします。
「神との語らい─さまざまな状況においてどう祈るか」は、日々の祈りを導いてくれます。

新生宣教団と仕事をして、よかったと思ったことなどがあればお聞かせいただけますか?

素人の私たちに対していつも忍耐深く、また優しく接していただいたことを本当に感謝しています。
また、新しい本を出させていただく度に、大変美しいデザインをしていただきました。
ドイツの本部にも印刷部がありますが、担当のシスターが、「日本で出版されたカナンの本が一番きれいよ」とほめてくれたことがあります。

新生宣教団には翻訳のことでも、いろいろアドバイスをいただきました。
たとえば「神の現実」の中で、シスターたちの印刷部の発足について書かれた章に、印刷機械についての専門的で難しい表現がありました。
その時、営業のNさんがわざわざ印刷博物館まで行ってくださり、昔の機械を見て、正しい日本語の表記を教えてくださったのです。
新生宣教団の尊いお働きが、これからも御国のために豊かに用いられることを、感謝をもって遠いドイツの地からお祈りしています。


40年にわたるお働きの中心が「文書伝道」であったという貴重なお話をいただけて心から感謝いたします。
シスター・スミルナとシスター・オリビアがドイツに帰られるのは寂しくもありますが、これまでの主にあるお交わりと、すばらしい本の数々を印刷させていただいたことに心から感謝いたします。

新生宣教団ではカナン出版の在庫書籍を譲り受け、販売させていただくことになりました。
オンラインショップでもお買い求めいただけます。各書在庫限りの貴重な書物ですので、どうぞお求めください。

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