
昔は、大衆文化の映画やテレビで「十戒」や「ベン・ハー」など、聖書の物語に触れる機会が多くありましたが、現代の日本では、スマホの普及や価値観の多様化などによって、福音に触れる機会が非常に少なくなっています。福音を一度も聞くことなく生きる人も、珍しくない時代になりました。
そのような中で、埼玉県の嵐山(らんざん)チャペルでは、マンガ小冊子『ザ・メサイア』を用いて福音を伝える地域伝道が続けられています。今回は植木武先生に、地域伝道の現状やマンガ小冊子がどのように用いられているのかを伺いました。
嵐山チャペルは、23年前に「教会のない町に福音を届けたい」という願いから始まりました。隣町にある小川教会の開拓によって生み出され、地域に根差した働きを続けられています。
「電車や車に乗らなくても、近くに通える教会があることは大きな恵みです」
地域に教会があることの大切さを、植木先生は日々実感されています。現在は嵐山町を拠点に、さらに教会のない隣町のときがわ町や滑川町にも足を運び、マンガ小冊子を用いながら福音を伝えています。
長年牧会を続ける中で、植木先生は日本社会の変化を強く感じておられます。
「以前は、人生や信仰について真剣に考える人が多くいました。しかし今は、そうした関心が薄れているように感じます」
さらに、活字離れも進み、本を読まない人も増えている中、マンガというツールに大きな可能性を感じています。
「マンガは、従来のトラクトに比べて親しみやすく、とっつきやすいと思います」
スマホが普及した今、人々は多くの情報に触れているように見えても、福音そのものに出会う機会は大きく減っています。だからこそ、まず手に取ってもらうことが重要になります。
マナプロジェクトを知ったきっかけは、宣教部スタッフとの交わりでした。以前から別の教会でマンガ聖書を見かけており、話を聞く中で「ぜひ使ってみたい」と思われたそうです。
特に強く感じている課題は、子どもたちへの伝道です。
「嵐山チャペルでは、子どもが教会に来る機会はほとんどありません。習い事などで忙しい子どもたちに、何とかしてイエス様のことを伝えたいと思っていました」
そのような中で、マンガは子どもたちにも届けやすい手段になると感じ、マナプロジェクトのマンガ小冊子を用いた地域伝道が始まりました。現在も嵐山を中心に、周辺地域でマンガ小冊子の配布が続けられています。
もちろん、配布する中で厳しい反応もあります。「いりません」と断られることや、「なぜ入れたのか」とクレームを受けることもあるそうです。
それでも、福音を伝え続けることの大切さを語られます。
「届けることが主から与えられた自分の責任だと思っています」
受け入れられるかどうかではなく、まず福音を届けること。その責任を果たすことが大切だと言います。
「時が良くても悪くても、み言葉を宣べ伝える責任を果たすことが大切だと思います。その上で、あとのことは神様に委ねています」
結果を急ぐのではなく、祈りながら、忍耐をもって続けていく。その積み重ねが、地域伝道の働きを支えています。
近年は、防犯意識の高まりによって「知らない人から物を受け取らない」という教育も徹底され、子どもたちにトラクトを受け取ってもらうことも難しくなっています。それでも植木先生は「だからといって、伝道をやめる理由にはならない」と話されます。
「『できない理由』ではなく、『できることから始める』。マナプロジェクトのマンガ小冊子も、その一つの手段として用いてほしいですね」
特別な伝道集会だけではなく、家族、友人、地域の人々との日常の関わりの中で福音を届けていく。その小さな積み重ねが、日本の各地へ福音を届ける働きにつながっていきます。
実際に、配布をきっかけに教会へ来られた方もいました。
すぐに大きな反応が見えるわけではありません。それでも、地域へ福音を届けるきっかけとして、マンガ小冊子は各地で用いられ続けています。
「とにかく種を蒔くことが大切だ」と語ります。
「福音を届けることは、責任であると同時に、救われた者に与えられた使命であり、特権でもあります」
先日、かつて教会学校に通っていた方が、約40年ぶりに教会を訪ねて来られたそうです。人生の大きな悩みの中で、子どもの頃に聞いた聖書の言葉を思い出したと言います。
すぐに結果が見えなくても、蒔かれたみ言葉は人の心に残り、時を経て実を結ぶことがあります。
マナプロジェクトのマンガ小冊子は、各地の教会の地域伝道で福音を届ける働きの一つとして用いられています。
これからも地域へ福音を届け続ける嵐山チャペルのお働きと、マナプロジェクトのためにお祈りください。
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